2016年7月
来訪場所:東京都台東区浅草 伝法院
観光名所の浅草寺から徒歩圏内の妖怪伝承の地。雷門から仲見世を通って行く場合は、
途中で左に曲がると伝法院通りに入ります。浅草寺本堂の通りまで出てしまうと行き過ぎなので注意。
伝法院の鎮護大使者
かつての江戸には多くの狸が住んでいて、上野や浅草の奥山に住んでいた狸たちが、
戦争や開拓などで逃げだし、浅草の伝法院周辺の周辺(浅草寺の使用人の家とも言われていいます)に
住み着いていたそうです。
狸は人にいたずらをするイメージがありますが、この狸たちもご多分に漏れず、
草履を釜に放り込んだり、娘に取り憑いたりと、悪さを繰り返していました。
そんなある日、浅草寺の唯我韶舜大僧正の夢枕に狸が現れ、
「われわれのために祠を建てて保護してくれれば、伝法院を火災から守り、永く繁栄させましょう」と
いうお告げがあった
そこで大僧正は明治16年、狸のために祠を作り、鎮護大使者の名をおくり、
祀ったのが伝法院境内にある鎮護堂です。
その霊験のためか、伝法院、鎮護堂ともに関東大震災、東京大空襲での焼失を免れています。
鎮護堂隣には狸のやきものと共に、東京大空襲の折、焼夷弾を受けながらも、
伝法院を守ったというご神木が祀られています。
この場所には2度訪れましたが、いずれも伝法院自体を見つけることができませんでした。
後で調べてみると、伝法院は一般公開していないのですね。
境内の庭園が国の名勝に指定されており、建物も重要文化財に指定されているそうなので、
一度はお目にかかってみたいものです。
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