父の死を憂いて鳴き声をあげる夜泣き石

妖怪に会える地

2020年8月  

 来訪場所:千葉県市川市 里見公園

前回の来訪からいきなり3年が経過。

この3年間がいかに仕事に追われていたかが分かりますね・・・。

夜泣き石の由来

 千葉県市川市にあるこの里見公園周辺は「国府台」と呼ばれ、下総国府が置かれ、

下総国の政治や文化の中心だったそうです。

 その後、室町時代天文7(1538)年10月、足利義明は里見義堯等を率いて国府台に陣をとり

北条氏綱軍と戦いました。しかし北条軍が勝利をおさめ義明は戦死、房総軍は敗退。

続いて永禄7(1564)年正月、里見義堯の子義弘は再度国府台城で北条軍と対戦しましたが、

この合戦も北条軍の大勝で終わり、以降この土地は北条氏の支配するところとなりました。

 この合戦で戦死した里見広次には12~13歳になる美しい姫がおり、父の霊を弔うため、

はるばる遠い安房の国から国府台を訪ねてきたそうですが、姫は身も心も疲れ果て、

そばにあった石にもたれ、かすかな声で父の名を呼びながら幾日か泣き続け、

とうとう息絶えてしまった。以来、この石から夜になると悲しい泣き声が聞こえてきた、

というのが夜泣き石の由来です。

道順

 千葉県松戸駅から、バスで「国立病院」で下車します。バスが来た通りを少し戻り、

信号を左に渡れば、あとは一本道です。

里見公園に到着です。

公園は広いので、入り口の案内板を見ましょう。(私は見ても少し迷いましたが・・・)

高台から景色が眺められる場所がありますが、

そこから少し中に入ったところにもう一段高くなっている場所があります。

「ここ登っていいのかしら」と不安になるぐらい、周辺に案内はありませんが、

登ると夜泣き石伝説の説明看板が見えます。

夜泣き石です。

奥には里見軍の戦死者供養碑も。

ひときわ丁寧に囲われています。供養碑と共に眺めがいい場所に安置されているのは、

少しでも安らかになれるようにとの、想いがうかがえます。

周辺みどころ(バラ園)

 市制施行70周年記念事業として植栽したバラ園が、公園内にありますが、これがなかなか見事です。

8月に訪れましたが、見頃を若干過ぎていたものの、まだまだ咲いており、

奥の噴水との調和も美しく、一見の価値ありです。

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